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ギターのネックの反り 修理方法

どっち向きに回すのか

ギターのネックは季節によって反り返りますよね。トラスロッドというものを回すのは知ってるけど、どっち向きに回すのか分かりません。順反り、逆反り、時計回り、反時計回り、右回し、左回し・・・どっちがどっちだか。

心配無用です。この記事を読み終わった時にネックの反りがどんな状態の時にどうすればいいか「分かる」だけじゃなく「覚える」ことができますよ。

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どうして、覚えにくいのでしょうか。

ギター修理の専門家が、自分たちの専門用語を定義することなく使用しながら、私達ギタリストに向けて解説しているから混乱するんです。

順反り、逆反り、時計回り、反時計回り、右回し、左回、ヘッド側から回す、ボディ側から回す、トラスロッドを締める、緩める・・・これらの組み合わせを覚えないといけないと解説するからです。

さらに、時計回りや右回りと言っても、ネックのヘッドの方向を向いている時は視線はネジ穴の方向を見ているわけではなく、レンチの方を向いているので、左右が反転します。

これを混乱させないように「上に回す」「下に回す」と言った解説もあります。しかし、これもギターを寝かせている状態では無意味な解説です。

画像検索をして方向を確認するのも危険です。「こっちかな」「あっちかな」「こっちじゃなかったようだから、反対かな、あれ、さっきどっちに回したっけ?」となるのが落ちです。

 

解決策

ネックの反りがどんな状態の時にどうすればいいかを「覚える」ためには、これらの情報を遮断するのが一番です。

私が師匠に教えてもらった言葉 “High Priced Watch’’ を無理矢理日本語に訳します。

「高い時計」を思い出す

これだけです。

どういう意味かと言うと、弦高が「高い」なと思ったら、

ネジ穴を目で見ながら「時計」回しに回す

という意味です。ギターを構えた状態だと逆になってしまうので、必ずネジ穴を見て下さい。

それ以外の言葉は一切不要です。

結局、目的は弦高が高いのを修正したいわけです。
その理由の名称が順反りでも、逆反りでも、犬ぞりでも、ヒゲそりでも関係ありません。

反対の症状がでたら反対に回せば良い。

それだけです。

その理由を考える必要はありません。

どのくらい回すか

トラスロッドをどのくらい回すのか。
一度でも回したことがある人は、グルグル何周も回すモノでないことはご存知でしょう。

では、何度くらい回せばいいのでしょうか?
この情報を探してもたくさんの答えが見つかるでしょう。
混乱しますので、皆さんのために、私が無理矢理決め込みます。

「30度」

以上。

お使いになるのはほとんどの場合6角レンチです。

ネジ穴をみて、6角レンチの山の位置が次の山の位置になるまで回すと、360度の6分の1回ったので60度です。その半分の30度だけ回して下さい。

これで改善されるはずです。

「いやいや、15度でも結構ネックは変わるもんだ!」と、おっしゃる方はハイレベルな方です。この次元の私の初学者向けの文章を頼りにしなくてもいいはずです。

「30度じゃ全く変わらないんだけど」と、おっしゃる方は、そんな状態まで放置しておいた訳ですので、修理の専門家に見てもらうべきです。自分で回すべきではありません。

どういう状態が弦高が高すぎる状態か

弾いてて「なんとなく高いかな?」と、思ったら、6弦1フレットと最高フレットを押さえて10フレットあたりに隙間がないか確認して下さい。

隙間があれば弦高が高いのです。

「高い時計」を思い出して、30度回して下さい。

隙間がない場合は、触らないで修理店に直行して下さい。

弦高が高いと感じたのに、6弦1フレットと最高フレットを押さえて10フレットあたりに隙間がないということは、ネックの仕込み角度に問題があります。

もしくはネックがねじれている可能性もあります。

私達ギタリストが対処できる範囲を超えています。

私達はギターを演奏する専門家であり、楽器を修理する専門家ではありません。自分はあくまで応急処置の範疇でしか対処できない分野の人間なんだと言い聞かせて下さい。

 まとめ

ネジ穴を見て

「高い時計」を思い出す

角度は30度

改善されないなら修理屋さんへ

津本幸司

私達がプロになった方法トータル・ギター・メソッド